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<未登記建物>
相続が発生した時には、故人の相続財産を調査していきますが、ときにその中で、不動産(建物)が登記されていない、というケースがあります。
不動産登記には、表題登記と権利登記があり、そのうち、表題登記(建物の構造や床面積、築年月日等に関する登記)については、登記することが義務となっています。この規定に違反すると、10万円以下の過料に処せられます。
【不動産登記法第47条第1項】
新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
しかしながら、実際には、表題登記をしないことで過料になり、お金を取られたケースはないようです。日本中に、登記がされていない「未登記」建物は数え切れないくらいありますが、過料が課せられたという話は聞いたことがありません(だからといって、しなくていいわけではありませんよ)。
●なぜ登記がされていないのか?
現在では、住宅を建てる際にはローンを組むことのほうが一般的です。その際、融資をする銀行等は、新築された建物に担保を設定します。この場合、建物に表題登記+権利登記の両方がきちんとなされていなければ、担保を設定することができません。
したがって、住宅ローンを組んで家を建てた場合、登記がなされないということは現実的にはあり得ません(担保設定できないので、銀行が融資しない)。
これに対し、数十年前は、家を建てるのにローンを組まずに現金で建てることがままありました。
その場合、銀行から融資を受ける必要がなく、そのため、わざわざ登記を入れなくても、現実的には困ることがないので、そのまま登記自体がなされていないケースというのが存在するわけです(表題登記をするにもお金がかかりますからね)。
なお、建物が登記されているかどうかは、お手元の固定資産税の納税通知書を持って法務局に行けば確認できます。納税通知書に記載された家屋番号で、登記簿謄本を請求した時に、未登記であれば登記簿がないので取得することができません。
●登記がなければ税金はかからない?
では、登記がなされていない建物は、役所も把握していないということで、税金もかからないのでしょうか?
これについては、残念ながら、登記がなされていない=固定資産税がかからない、ということではありません。
実は、市町村役場は、固定資産税を徴収する目的で、建物が新築されると、独自に建物を調査、測量しています。その結果、役場には家屋台帳という書類が作られ、翌年からはしっかりと固定資産税の納税通知書が送られてきます。じゃあその時に役場が登記も申請してくれればいいのに、と思うのですが、役場の目的はあくまで税金の徴収ですから、残念ながらそれ以上のことはやってくれません。
よって、固定資産税を払っているかどうかと、きちんと登記がされているかは、実はあまり関係がないのです。
●未登記建物を相続したら
では、相続財産の中に未登記建物があった場合はどうすれば良いのでしょうか?
この場合、以下の2つの選択肢から、事情に応じて方針を決めることになります。それぞれの方針のメリットとデメリットも併せて確認してください。
①相続人名義で表題登記+権利登記をおこなう。
原則通り、今からでも表題登記と権利登記を行います。
この場合、もともと建物を建てた際の所有者は亡くなっていますから、相続人名義で表題登記を申請することが可能です(その前提として、必要に応じて、遺産分割協議書に、未登記建物を誰が相続するかも盛り込んでおきます)。
表題登記の申請には、原則として、故人が建物を建築した際の建築確認通知書や検査済証などが必要になりますが、実際には、これらの書類は紛失してしまって見つからないというケースがほとんどです。その場合は、固定資産評価証明書や公共料金の領収書等で代用が可能です。
そして、表題登記が完了すれば、そのまま相続人の名前で権利登記(保存登記)を行います。
これで晴れて相続人名義で必要な登記が完了することになります。
(メリット) 建物の売却、担保入れが可能。
前述のとおり、建物が未登記のままでは、それを担保にお金を借りることができないばかりか、その建物を売却することもできません(一般には、登記がなされていない物件はリスクが高いため、誰も買いません)。そのため、相続はしたものの誰も住む予定がなく、建物自体を売却するという場合には、表題登記と権利登記をしなければなりません。
なお、建物を取り壊して、更地にしてから売却するという場合には、あえて登記をする必要もありません。
登記がなされていれば、融資や売買が可能
(デメリット) 登記費用が必要。
表題登記+権利登記で、場合によっては数十万円の費用が必要になる可能性があります。
②登記を申請せずに相続する。
さしあたって売却等の予定がない場合は、そのまま登記を申請しないという選択肢もあります。
ただし、この場合でも、市町村役場に対し、「未登記家屋所有権移転届」を提出しておいたほうが無難です。これにより、今後の固定資産税納税通知書は、相続した相続人あてに届くことになります。
(メリット) 登記費用がかからない。
役所への届け出のみなので、いわゆる登記費用はかかりません。
ただし、未登記家屋所有権移転届提出の際に、戸籍謄本や遺産分割協議書などの、相続に関係する書類が必要になるので注意してください。
(デメリット) 建物の売却、担保入れが不可能。
登記がないため、それを担保にお金を借りることができないばかりか、その建物を売却することもできません。
しかしながら、当面そんな予定がなく、いずれ取り壊す予定ということであれば、さしたるデメリットでもありません。
登記がなされていないため、融資も売買も不可能
このように、未登記建物については、実務上は、登記しないまま相続するということも不可能ではありません。
なお、表題登記は、司法書士ではなく、土地家屋調査士の業務分野になります。当方では、信頼できる土地家屋調査士事務所を紹介することも可能ですので、未登記建物の処理に困った場合は、お気軽にお問い合わせください。