司法書士年次研修

先日、司法書士の年次研修に参加してきました。

 

この研修は、現在は司法書士登録から5年ごとに行われており、該当する年次においては参加が義務付けられている研修です。研修内容は、司法書士倫理をメインに、本人確認のあり方や日々の業務において注意すべき点などを、基調講演の後に、モデルケースを用いた事例問題についてのグループディスカッションなどです。

 

設定される事例については、「誰が見ても一目了然」というものではなく、言ってみればセーフかアウトかのボーダーラインに近いような案件となっていますそのため、「いや、これぐらいなら認められるべきでしょう」「受任できなくはないが、○○という点に注意すべきだ」「そもそも受任を見送った方がいいのではないか」といった、様々な意見が出ます。

 

皆それぞれに、自分なりの根拠やポリシーをもって主張されますので、他の先生方の意見も非常に参考になります。

 

もちろん、法律上、倫理上、誰が見ても明らかにアウトな案件であれば受任すべきではないですが、現実の業務においてはなかなか微妙なケースというのは多々存在します。

 

そういった事案に出くわした際に、どういう根拠に基づいて受任をするのかしないのか、また、受任を見送る場合には、依頼者に対してきちんとその理由を説明できるのか(「なんとなく受けるべきじゃない気がするので受けません」では、依頼者は当然納得しません)、そのあたりを考えるのに、非常に有用な時間となりました。

 

また、後半では司法書士の業務広告や、インターネット上のブログ等での表現のあり方なども議題に挙がりました。

 

このブログでも、個人を特定できない範囲で、ご本人様の承諾を頂けたケースのみではありますが、実際の事案をデフォルメしてご紹介していることもあるので、多少耳が痛い部分もありましたが…

 

しかし、司法書士がどういう業務を行っているのか、法律的に認められた手続きとしてどういう事案があるのかなどを、ある程度一般市民に向けてわかりやすくアナウンスするのも、司法へのアクセシビリティー向上のために不可欠ではないかと思っています(一般の方は、抽象的な一般論に終始するよりも、実際に自分と似たケースの事案があり、それが解決可能であると分かれば、確実にそちらの方が理解度は上がり、手続きに積極的になるはずです)。

 

もちろん、明らかな誇大広告や事実に反する内容、100%を保証するかのような断定記事等は控えるべきと思いますが、そうではない範囲での広告、広報活動は認められてしかるべきだと思います。

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