債権譲受人からの請求

「聞いたこともない業者から、昔の借金の請求が来たんです!」
最近このようなご相談を頂くことが増えています。

先日ご相談に来られた方も、このような書面を持ってこられました。
※一部マスキングしています。

 

債権譲受通知書

 

 

 

 

 

 

 

 

届いたのはこの書面だけかを尋ねると、これだけですとのこと。
こちらの書面、一見すると取立や差押えといった、一般の方からすると恐ろしげな言葉が並んでいますが、我々からするとちょっと「??」な内容です。
まず、債権譲渡という法律行為についてですが、これ自体は、債権「譲渡人」(権利を譲渡した人)から通知をしなければ効力は発生しません。
にもかかわらず、この通知は債権「譲受人からのみの通知になっており、しかも、相談者の方曰く、これ以外に通知は届いていないとのことなので、そもそも債権譲渡の効力は生じていないことになります。
この点について詳しく解説します。

債権譲渡人
もともとその債権(権利)を有していた人。
一般的には、当初お金を借りた直接の相手方であることが多い。
譲渡によって債権者が変わると、「原債権者」(=もともとの債権者)といったような表現もされる。
債権譲受人
漢字が似てるのでまぎらわしいですが・・・
債権譲渡人から債権(権利)を譲り受けた人。
一般的には、債権回収会社などであることが多い。
本来の支払いができなくなったような案件を、まとめて安くで買い取って、回収業務を行うようなケースが多い。

 
(例)
(借主)がから100万円を、毎月1万円ずつ返済する約束で借りていた場合
※ややこしいので、ここでは利息は考えないものとします。

は、最初の1年は約束通り支払っていましたが、その後支払いができなくなりました。
この時点での借入残高は、100万円-12万円(1年分)=88万円です。

は何度も催促しましたが、は支払ってくれません。
それでもなんとかお金が欲しいは、この「から88万円返してもらえる権利」(=債権)を、に50万円で譲ることとしました。

としては、このまま1円も返してもらえないぐらいなら、50万円でももらえた方が良い、という判断です。
他方、としては、88万円の権利を50万円で手に入れたのですから、なんとかから50万円以上回収できれば儲けが出ます。

この場合、

債権譲渡人
債権譲受人

となります。

そしてこのケースでは、必ずからに対して、

「権利はに譲ったから、今後はに対して支払ってね」

という通知をしなければなりません。

から、

の権利を譲り受けたから、今後は自分に対して支払え」

という通知だけでは意味がないのです。

なぜならば、譲り受けた側からだけでの通知では、それが事実かどうかわからないからです。

上の例で、突然が出てきて、と同様、自分に払えと言ってきたら、からすると、わけがわからなくなってしまいます。

そのため、必ずもとの権利者であるから、誰に譲渡したのかを通知しなければならないことになっているのです。
翻って今回の通知を見ると、下部に「原債権者」として、もともと借りた会社名が記載されているものの、この通知の差出人は債権譲受人のみなので、これだけでは効力はありません。

 

また、文章の内容も、そもそも日本語としてオカシイ部分もあります。

「冠省 この度、弊社は、下記の原債権者が貴方様に貸し付けた。
金銭貸付債権の・・・」

など。

 

おそらく似たような書面を多数の方に送っていると思われますが、正直「???」といった感じです。

 

しかし、下部に記載された原債権者の表示は、合っているらしく、相談者にも、たしかに借りた記憶はあるとのこと。
これが間違っていれば、そもそも架空請求の類である可能性も高いのですが・・・
いずれにしても、譲渡の事実が真実だったとしても、まっとうな会社とは思えません。
きちんと話をして、場合によっては消滅時効の援用が可能かもしれませんので、しっかりと対応させて頂きます。
同様の督促や通知が届いた場合、直接連絡するのではなく、まずは司法書士や弁護士といった専門家にご相談されることをお勧めします。

 

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法律扶助を利用して自己破産

先日、自己破産の申立の依頼を受けていた件で、無事裁判所から免責決定の通知が届きました。

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この方は、10年以上前に消費者金融数社から借金をし、その後諸々の事情で返済が困難になり、転居を繰り返すうちにいつしか督促もあまり来なくなったため、ついそのまま放置してしまったという方でした。

 

ご本人様は持病もあり、就労は困難な状況で、現在は生活保護を受給しています。
同居していたお父様が亡くなり、1人暮らしになった後、債権回収業者から、以前の借金の取り立て通知が届くようになり、ご相談に来られました。
督促が届いていた業者と、その他ご本人様の記憶を頼りにいくつかの業者に受任通知を発送し、債権調査を行ったところ、いくつかの業者はすでに消滅時効が完成していましたが、2社ほどは裁判を起こされており、時効を援用することができない状況でした。
2社とはいえ、延滞していた期間の利息・損害金も上乗せされて、とても返済できるような金額ではありませんでした。
(というよりも、生活保護受給中の方は、生活保護費を借金の返済に充てることは禁止されています。)

 
消滅時効援用が可能な業者については、その旨の内容証明郵便で片を付け、2社については自己破産申立を進めることとなりました。当然、当方の手続き費用については、法テラスの法律扶助制度を利用しました。
※法律扶助制度とは・・・
一定の収入要件(収入が一定基準以下)をクリアしている方については、法テラスが専門家の相談料や手続き費用を立替えて負担してくれます。あくまで立替えですので、後日可能な範囲(月数千円程度)で分割で支払う必要がありますが、手続き終了時点で生活保護受給中の方は、申請により分割払い自体を免除してもらうことが可能です。

 
正直なところ、法律扶助制度を利用した場合に、法テラスから専門家に支払われる報酬は、相場よりもかなり低いと思われる額です。また、法テラスに対しての業務報告なども求められるため、通常業務プラス報告業務ということで、作業量は増えることがほとんどです。そのため、中には法律扶助を利用した業務の受任に消極的な専門家も存在するのが実情です。

 

 

今回のケースでは、受任直前は返済に追われていたわけではないので、自転車操業にもなっておらず、家計状況が把握しやすいこと、生活保護受給中ということもあって、目立った財産が存在しないこと、かかりつけ医から就労困難との診断書も容易に取得できたことなどから、かなり早い時期に申立を行うことができ、無事免責となりました。
ご本人様にしてみれば、受任以前も借金の返済に追われていたという実感はないことから、ただちに生活が改善したということはないかもしれませんが、今後は督促の連絡やハガキが来ることがないかと思うと安心できます、とおっしゃっていました。

 

督促が来ないからと言って、以前の借金をそのままにしておくと、忘れた頃に督促状が届くという可能性はあります。

※すでに時効期間が経過していたとしても、借り手から時効である旨を主張しない限り、請求・督促を行うこと自体は違法ではありません!
中には、それがきかっけで同居のご家族にバレてしまった、という方もいらっしゃいます。
心当たりの方は、1度専門家へご相談してみることをお勧めします。

 

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小規模個人再生の廃止と給与所得者再生

先日申立をした個人再生手続ですが、残念ながら債権者の債権額の過半数の不同意により、手続廃止となってしまいました。

 
個人再生手続きの場合、①小規模個人再生と②給与所得者再生の2種類があります。

 

このうち①の小規模個人再生(ほとんどの場合、こちらを選択すると思います)においては、債権額の過半数が再生計画に同意しない場合、手続きが廃止となってしまいます。

 

今回のケースでは、銀行系の保証会社になっていた債権者の債権額が多く、ここ1社だけで総債権額の過半数となっており、この会社が反対したがために、手続きが廃止されてしまいました・・・

 

 

では、廃止となった場合はどうなるのでしょう??
おそらくは、①給与所得者再生に切り替えて再度申立て②自己破産のいずれかになると思います。

 

今回は、①給与所得者再生に変更して、再度申立てを行いました。

 

給与所得者再生の場合は、債権者の反対によって手続きが廃止になることはありません。

 

では、最初からこちらを選択すれば良いのですが、給与所得者再生の場合、可処分所得額を計算し、これの2年分を最低弁済額としなければならないという制約があります。

 

そのため、ある程度の給与をもらわれている方の場合、給与所得者再生を選択すると、3年間で弁済しなければならない金額が増えてしまう可能性があります。

 

そのため、まずは少しでも今後の負担が軽くなる小規模個人再生を選択するケースがほとんどだと思います。

 

ただし、今回のように、小規模個人再生の選択肢が閉ざされてしまい、さらに自己破産もできないというケースであれば、多少負担が大きくなったとしても、給与所得者再生を選択せざるを得ません。
幸い、ご本人様には事前にこういった可能性についても説明しており、給与所得者再生を選択した場合でも、支払い不可能なほどまでは今後の負担が大きくならなかったため、改めて申立てを行い、近日中に裁判所の認可が出る予定です。
給与所得者再生については、制度としては知っていても、実際には申立てを行ったことがないという専門家の先生も多いのではないかと思います。詳細についての説明をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
※なお、給与所得者再生は、その名の通り、「給与」(及びこれに準じる安定収入)がある方が利用可能ですので、残念ながら自営業者の方などはご利用できません。他方、年金は継続した安定収入とみなされますので、給与所得者再生の利用が可能です。

 

 

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個人再生の管轄について②

さて、前回に引き続き個人再生事件の管轄についてのお話です。

 

個人再生の申立管轄については、サラリーマンの方であれば、原則は普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所とされています。

 

そして、普通裁判籍は住所により定めるとされています。

 
問題は、ここでいう「住所」とは、必ずしも住民登録のある地(住民票上の住所)とは限らず、各人の「生活の本拠」をその者の住所とする、と定められていることです(民法第22条)。

 
「生活の本拠」という言い方自体が抽象的で、なにをもって「生活の本拠」というのか、正直よくわかりません。過去の判例にあたってみたところ、いくつかこの部分が争点となったものがありました。

 
【最高裁判所昭和29年10月20日大法廷判決】
およそ法令において人の住所につき法律上の効果を規定している場合,反対の解釈をすべき特段の事由のない限り,その住所とは、各人の生活の本拠を指すものと解するのが相当」

 
【最高裁判所昭和35年3月22日第三小法定判決】
「生活の本拠とは,その者の生活に最も関係の深い一般的生活,全生活の中心を指すものである。
公職選挙法及び地方自治法が住所を選挙権の要件としているのは,一定期間,一の地方公共団体の区域内に住所を持つ者に対し当該地方公共団体の政治に参与する権利を与えるためであつて,その趣旨から考えても,選挙権の要件としての住所は,その人の生活にもつとも関係の深い一般的生活,全生活の中心をもつてその者の住所と解すべき」

 
【最高裁判所昭和27年4月15日第三小法定判決】
「一定の場所が生活の本拠に当たるか否かは,住居,職業,生計を一にする配偶者その他の親族の存否,資産の所在等の客観的事実に,居住者の言動等により外部から客観的に認識することができる居住者の居住意思を総合して判断するのが相当である。なお,特定の場所を特定人の住所と判断するについては,その者が間断なくその場所に居住することを要するものではなく,単に滞在日数が多いかどうかによってのみ判断すべきものでもない。」

 

結局は、「生活の本拠」とは、各個人の生活の事情によって異なるといえそうで、画一的かつ明確な解釈は存在しておらず、多角的な事情や観点を考慮して判断すべきではないかと思われます

 

そのため、ご本人様にもすべて状況を説明し、打ち合わせをふまえた上で、ご本人様の意見を意見書という形で裁判所に提出しました。

 

 

その結果、今回の事案は神戸で審理を進めてもらえるとの回答を頂きました!!!

 

 

 

……いや、まぁ、そもそも当初の予定通り受け付けてくれたというだけで、何も手続きが終わったわけではないのですが、予想外のところでつまづきそうであったため、この連絡には本当に安堵しました。

 
今後、裁判所から追加の指示等があるかと思いますので、引き続きご本人様と二人三脚で、認可決定をもらえるように頑張っていきます!!

 

 

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個人再生の管轄について①

あけましておめでとうございます。年末は何かとバタバタしておりましたが、どうにか年内の業務も片付いて気持ちよく年越しを迎えることができ……たと思っていたのですが、裁判所から思わぬ連絡をもらってしまいました。

案件は個人再生の申立事件。
ご本人様は県外に単身赴任中で、兵庫県には住宅ローン付の自宅があり、家族はそちらに居住しています。
ご本人様も、週末や休みは兵庫県に帰省しており、住民票もすっと兵庫県のまま。赴任先の住居は勤務先会社名義の借り上げ住宅で、あくまで仕事のためだけに赴任している状況でした。
上記の事情ですので、生活の本拠は兵庫県にあると判断し、神戸の裁判所に申し立てたものの、裁判所からは、「赴任先の管轄裁判所に申し立てるように」との連絡が。
以前(といっても2年ほど前ですが…)にも同様のケースで神戸で受け付けてもらっていたので、正直想定外の反応でした。そのことも伝えてみたのですが、「その時とは裁判官も代わっているので」と、にべもない返答。
ご本人様の状況を説明してみましたが、反応は芳しくなく、取り下げ(して赴任先の裁判所に出し直し)しないのであれば、裁判所の職権で移送を考えているので、移送に対する意見書を出すように、とのこと・・・
これだけであれば、赴任先の管轄裁判所に申し立てれば良いのですが、なにぶんかなりの遠方になり、そちらの裁判所の運用もわかりません(困ったことに、得てしてこの手の案件は裁判所ごとに運用が違ったり、書式が違ったりするのです…)。
しかも、仕方なく、そちらの裁判所に事情を説明し、運用等を確認したところ、個人再生委員(裁判所が指名する弁護士)の選任が原則であり、その費用が15万~20万円必要との事です。
これには困りました。
神戸の裁判所の運用上、個人再生委員は選任されるケースは少ないですから、神戸で審理を進めてくれれば、不要なお金である可能性が高いのです。
しかも、ご本人様の状況を考えると、決して少ない金額ではありません。
これはなんとかして神戸で審理を進めてもらわなければ…
というあたりで年末を迎えるという、なんとももやもや感の大きな年越しでした…
少し話が長くなりましたので、続きは次回にしたいと思います。

 

 

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時効期間経過後の裁判

一般的に、貸金業者からの借入金は、最終取引日から5年を経過すると消滅時効にかかります。

 

これは、借りている側からすると、借金を返さなくて済むわけですが、5年経過すればただちに支払い義務がなくなるわけではありません

 

時効というのは、援用(えんよう)しなければ効力が生じません。援用というのは、言ってみれば相手方に対して「もう時効なので払いません」とハッキリと伝えることです。これをしなければ、10年経とうが15年経とうが、法律上の支払い義務は残ったままですから、請求・督促が来る可能性はあります。このこと自体は違法ではありません。
また、何年も経過しているうちに、合併や商号変更で会社の名前が変わったり、債権回収業者に債権が売却されたりして、当初お金を借りた業者とは全く違う名前の業者から督促の手紙が届くことも多々あります。
さらに気を付けなければならないことは、5年以上経過した後でも、貸金業者や債権回収業者から、支払いを求める裁判を起こされる可能性があるということです。繰り返しますが、時効の援用をしない間は、何年経っていても、督促が来たり裁判を起こされたりする可能性はあります。
裁判を起こされた場合、時効期間が経過していたとしても、きちんと裁判所で「時効なので払いません」ということを主張しないと、自動的に裁判に負けてしまう可能性があります。いったん裁判に負けてしまうと、その後で時効を主張するのは極めて難しく、最悪、裁判に負けてから10年経たないと、時効の主張ができなくなってしまいます。
聞き覚えのない業者名だからと言って、架空請求か何かと思って放っておくと、取り返しのつかないことにもなりかねません。参考までに、下記にいくつかの債権回収業者名を挙げておきます。これらの業者は、正式に国の許可を受けて債権回収業をおこなっておりますので、架空請求ではありません。督促が来た、裁判を起こされたという場合には、早急に専門家にご相談されてみることをお勧めします。
・アビリオ債権回収株式会社
・ニッテレ債権回収株式会社
・エー・シー・エス債権管理回収株式会社
・ジェーピーエヌ債権回収株式会社
・オリンポス債権回収株式会社
・エム・テー・ケー債権管理回収株式会社
・ティーアンドエス株式会社(いわゆるサービサーではありませんが、他社から債権譲渡を受けて回収業務をおこなっていることが多い会社です。)
※許可を受けたサービサーは他にも多数存在します。
参考URL 法務省:債権管理回収業者一覧
http://www.moj.go.jp/housei/servicer/kanbou_housei_chousa15.html

 

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消滅時効を認めない業者②

年が明けてバタバタとしているうちに、あっという間に時間が経ってしまいました…

 

前回の記事で、消滅時効援用を認めない業者について書いていましたが、進展があったので書かせて頂きます。

 

その後、念のため取引履歴を取り寄せたところ、やはり最終取引日は2002年(平成14年)であり、その後の返済記録はありません。5年どころか、10年以上経過している計算になります。

 

さっそく業者に連絡して確認したところ、やはり債務名義の取得等の時効中断事由もないとのこと。それであれば時効援用を認めるべきなのですが、そこは前回と同様、

 

・本人が転居を繰り返した

・督促をしたくてもできなかった

・転居の旨の連絡もなく、誠意が感じられない

 

ことなどを理由に、時効援用は認めないの一点張りでした。
※いずれも、法律的には全く認められない主張です。

 

ご本人とは、債務不存在確認訴訟も視野に入れて話し合いをしていたのですが、それに先立って、業者に最後通帳のために連絡を入れました。後日訴訟において、業者の言い分を立証するためにも、会話内容は録音していることを相手に告げた上で、業者側の主張をはっきりと根拠を示して述べてほしいと伝えました。

 

10分以上話していましたが、結局法的根拠が示せないまま、会社として最終的な回答をするので時間がほしい、とされました。話の感触的に、これは一転して時効を認めるのではないかなと思っていたところ、つい先ほど連絡が。

 

「社内で検討した結果、今回は時効援用を認め、信用情報も、10日の時点で既に削除要請を出しておきました。」
とのこと。

 

当然と言えば当然の結果なのですが、最悪提訴も考えていただけに、ほっとする結末となりました。

 

また、信用情報も直ちに削除してくれたようで(どうも時効援用したからといって、通常は延滞情報がすぐに消えるわけではない、ということです)、この点については期待していた以上の対応です。こちらとしても何の異論もありません。

 

初めからこのような対応をしてくれていれば、こちらとしては何の文句もなかったわけですが…

 

なにはともあれ、提訴に至ることなく解決できてご本人にも良い報告ができそうです。
やれば勝てるとわかっている裁判でも、費用負担とかかる時間を考えると、しないですむにこしたことはないですから…

 

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クレジットカードの現金化の罠④

※前回の続き

 

前回までに説明した例は極めて単純化したもので、実際にはこういった商法は巧みに進化しています。一例を挙げると、

 

<買い戻し型>

クレジットカードのショッピング枠を利用して、現金化業者が直接商品を販売(例:10万円)しカード決済後、決済代金を下回る金額(例:6万円)で商品を買い戻し、利用者に現金を渡す方法です。

 

<キャッシュバック型>

現金化業者が直接商品を販売(例:10万円)し、キャッシュバックという形で、利用者の口座にお金(例:6万円)を振り込む方法です。
 

といったものがあります。

 

いずれの場合も、現金化業者にはカード会社から10万円が支払われるのに対し、利用者には6万円を渡しただけですから、差額4万円が現金化業者の利益になります。

 

これらのやり方に共通して言えることは、商品の売却行為自体は形式的なもので、買う商品にほとんど商品価値が無いということです。

 

実際に高額な商品を用いて行うためには、貸金業者にその分の仕入れの負担がかかるためです。現金化業者が、正規にモノの販売で利益を上げようとしているわけではないことがよくわかります。馴染みやすい名称や、きれいに見えるホームページに騙されてはいけません。

 

★現金化をする前に★ 
ショッピング枠の現金化自体は、現時点では取り締まる法律がなく、完全に違法とは言えない状況です。

 

しかし、これらの行為は、わずか数ヶ月間の一時しのぎにすぎないことは誰の目から見ても明らかです。

 

加えて、これらの行為を行うことで、本来整理できたはずの借金が整理できなくなってしまう可能性もあります!

 

その場しのぎで当面の返済を乗り切れても、安心するのはほんの1ヶ月!翌月の支払い日には、より多額の返済が待ち受けています。

 

 

今後ずっと安心して眠れるように、まずは専門家にご相談ください。
 

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クレジットカードの現金化の罠③

※前回の続き

 

<問題点②>カード会社の規約違反

また、問題はこれだけではありません。

 

そもそも、クレジットカードのショッピング枠の現金化はクレジットカード会社の規約違反に該当します。

 

何らかの商品をカードで購入した場合、購入代金全額(+金利手数料)を支払うまでは、商品の法律上の所有権はカード会社にあります。にもかかわらず、支払い前にそれを勝手に売ってしまうわけですから、これは当然規約違反です。

 

したがって、カード会社からは会員資格をはく奪され、さらに、商品代金の残額を一括で請求されます。

 

また、そもそも規約違反の行為をしているわけですから、もし現金化の過程でトラブルが発生した場合でも、クレジットカード会社は一切手助けはしてくれません。
むしろ、問い合わせた時点で規約違反が発覚し、強制的に解約、その場で一括返済を要求される場合もあります。
 

<問題点③>悪質な業者の存在

さらに、現金化業者の中には本当に悪質な業者もあり、 「30万円で商品を買い取ってくれるはずが、手数料だ何だと言って20万円しかもらえなかった!」 「クレジットカード情報がいろんなところに漏洩し、身に覚えのない請求がきた!」 等のトラブルも頻発しています。
中には、『東京都公安委員会認定』といったような文字を打ち出している業者もいますが、クレジットカードのショッピング枠の現金化を公安委員会が認めているということではありません!これは、ただ単に公安委員会から古物商の認定(中古品の売買に関する許可)を受けている、というだけの意味しかありません。
<問題点④>整理手続きへの支障

 

万が一現金化に成功しても、その後支払い不能になった場合には、クレジットカードのショッピング利用は利率が利息制限法以下のため、任意整理による借入額の減額や、過払金は発生しません!

 

また、仮に債務整理をする際には、業者には現金化行為がばれてしまい、交渉が難航するおそれがあります。

 

※本来であれば、債務整理をする際に、分割支払中の物品はカード会社から引き揚げの要請が来ます。しかし、現金化していれば当然もう手元にはないため、返品することはできません。よって業者にも現金化行為がばれてしまい、規約違反の行為をしているために交渉が難しくなる可能性があります。

 

さらに、自己破産や個人再生等の法的手続きの場合は、現金化行為(換金目的でのカード払いによる商品購入)は裁判官の心証も悪いため、手続きに支障をきたすおそれがあります。

 

※次回に続く。

 

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クレジットカードの現金化の罠②

『クレジットカードのショッピング枠を現金に!』

『簡単審査、即日融資!』

『●●%の高還元率!』

 

いわゆる「現金化業者」の宣伝文句です。平成22年6月以降、総量規制で追加融資が受けられなくなった人たちをターゲットにした商法ですが、この“現金化”にはいくつもの落とし穴が存在します。

 

目先の現金につられてついつい手を出してしまうと、さらなる泥沼にはまり込む可能性が非常に高いので要注意です!

 

現金化の仕組み

ショッピング枠の現金化自体は古くから存在する商法です。

だからといって社会的に認められている、というわけではありません!

従来の方法とは、

 

①現金化業者「○○(例:15万円相当)であれば10万円で買い取りますよ」

 

②利用者が○○をクレジットカードで(分割払いで)購入し、現金化業者に持ち込む

 

③現金化業者は商品と引き換えに10万円を渡す

 

これにより、利用者は15万円のショッピング枠を利用して10万円の現金を手に入れたことになります。たしかに、目の前の返済や支出に追われている人は、手軽に現金を手に入れることができます。

 

何が問題?

 

しかし、当然話はこれでは終わりません。ショッピング枠の現金化には様々な問題点があります。

 

<問題点①>大きな自己負担

 

①現金化業者「○○(例:15万円相当)であれば10万円で買い取りますよ」

 

②利用者が○○をクレジットカードで(分割払いで)購入し、現金化業者に持ち込む

 

③現金化業者は商品と引き換えに10万円を渡す

 

カード会社から利用者に15万円(+α)の請求が来る

 

当たり前ですが、本来は15万円するものを購入しているわけですから、カード会社からは15万円分の請求が来ます。上記の例では、目先の10万円を手に入れるために、15万円-10万円=5万円もの差額を自己負担しなければなりません。逆に言うと、この部分が現金化業者の『利ザヤ』になるわけです。

 

加えて、おそらく商品は分割払いやリボ払いで購入しているでしょうから、カード会社への金利手数料も含めると、さらに負担額は大きくなります。

 

目先の10万円のために、最終的には何十万円も払わなければならなくなります。

 

現金化業者は、すでに上記の利ザヤを稼いでいますから、その後に利用者がカード会社へ支払う金額がいくらになろうが、支払い方法でもめようが、もっと言えば支払いができなくなろうが、何の関係もないのです。

 

※次回に続く。

 

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