清算を結了していない旨の届出①

長らくブログの更新を中断しており申し訳ありません・・・

個人的に、受けなければならない試験のための勉強などもあり、更新の余裕がありませんでした。
さて、久しぶりの更新でいきなりマニアックな話で申し訳ないのですが、先日、「登記簿を閉鎖された会社の復活(?)」の手続きを行ってきました。
この相談は、もともと知り合いの弁護士の先生からの担保抹消の相談が発端でした。
弁「担保の抹消っていくらぐらいでできる?」

青葉「まぁ、そんなに複雑なものでなければ1~2万円でできますが・・・」

弁「ちょっと複雑かもしれんけど・・・とりあえず資料送るわ!」

とのことで、届いた資料を見てみると・・・

 

 

 

●所有者:A株式会社
→職権により解散、その後職権により登記記録閉鎖

●根抵当権者①:株式会社B銀行
→平成10年解散、平成14年清算結了

●根抵当権者②:B信用組合
→C信用組合に吸収合併され消滅、C信用組合は平成14年解散、平成24年清算結了

※その他、条件付賃借権、条件付地上権あり

 
という、なんとも複雑な状況でした・・・
当事者となる法人が、ものの見事にすべて法人格が消滅しているという、あまり見たこともないケースです。
(とてもじゃないですが、1~2万円でできる登記ではありません(苦笑))
<A株式会社の実際の登記記録>

img-821154525_ページ_1

 

 

 

 

 

 

 

 

img-821154525_ページ_2

 

 

 

 

 

 

 

このように、すでに登記簿が閉鎖されています。
(平成9年6月3日解散、平成28年2月10日登記簿閉鎖)

 

一般的には、「解散=会社消滅」というイメージが強いですが、法律的には、「解散=清算業務の開始」といえます。
この清算業務を行うのが「清算人」で、小規模な会社であれば従前の取締役がなることが多く、規模の大きな会社になると、公平性の観点から弁護士などが請け負ったりします。

 

つまり、清算手続き中であれば、清算人が会社を代表することになるので、会社の資産の処分等も行うことができ、もちろん登記手続きも可能です。
これに対し、登記簿が閉鎖されてしまうと、これはもう法律的にも会社が消滅ということになります。
そのため、普通は清算業務がすべて終了した段階で「清算結了」という登記を申請し。これによって登記簿が閉鎖されることがほとんどです。

 
しかしながら、上記の解散(清算中)という状態があまりに長く続くと、法務局は、職権で登記簿を閉鎖してしまうことがあります(商業登記規則81条1項)。

 
今回も、平成9年に解散(そもそもこの解散自体が、法務局の職権でなされたものだったので、代表の方にはあまり自覚がなかったのかも・・・)し、その後、20年近くにもわたって何らの動きがないため、法務局がしびれを切らして(?)平成28年に登記記録を閉鎖してしまったのでした。

 
こうなると、会社自体が消滅していることになるので、登記申請の当事者となることができません。

そのため、まずはこの会社を復活(?)させる手続きから行わなければなりませんでした。
少し長くなりそうなので続きは次回に・・・

 

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