裁判手続きはスムーズに

先週、神戸地方裁判所に個人再生事件を申立してきました。

 

この方が当事務所に相談に来られたのは今年の4月半ばですから、受任から約2ヶ月半で申立に至ったことになります。

 

受任時点では、税金や健康保険料の滞納があったり、そもそも家計状況を鑑みて個人再生を行うだけの余剰がなかったりと、かなり問題を抱えた事案でしたが、本人の頑張りもあって、なんとか早期に申立をすることができました。

 

一般的には、個人再生や自己破産等の裁判所を通した債務整理の場合、必要書類を収集したり、家計状況を精査してもらったりで、どんなに早くても3ヶ月程度はかかるケースがほとんどです(すでに給与を差押えされている等の特殊な事情がある場合には、必要書類は後日提出することを条件に、早急に申立てをするケースも稀にあります)。

 

ただし、中には、申立までに家賃や光熱費の滞納を解消してもらわなければならなかったり、生活状況が安定しなかったり、書類をお願いした通りに集めて頂けなかったり…といった、様々な事情で、受任から申立までに半年以上かかることも珍しくはありません。中には、専門家への報酬を全額支払うまでは申立をしないという事務所もあると聞きます。そのために、受任してからすでに1年以上経過しているものも・・・

 

たしかに、専門家が受任して以後は、債権者からの取立てがストップするため、裁判所へ申立をしていようがいまいが、依頼者の生活にはあまり大きな変化はありません。しかしながら、申立をしなければ、当然手続きは進まないわけで、専門家が受任してから申立までの間は、手続きとしては非常に宙ぶらりんの状態です(債権者としても、専門家の顔を立てて、督促や裁判をすることなく「待ってあげている」だけの状態だと思っています)。

 

また、申立をして以降に、裁判所から書類の追加を命じられたり、より詳細な(場合によっては、できればあまり触れてほしくないような)事情を確認されたりということも頻繁にあります。つまり、申立はゴールではなく、どちらかというとスタートなのです。受任はしたけど申立はしていない状態というのは、いわばスタート前のストレッチ、準備をしているに過ぎません。免責、認可という本当のゴール(再生の場合は、認可を受けた後に支払いが始まるので、これまた厳密にはゴールとは言えないかもですが)に向けて、少しでも早くスタートすることが肝心だと思います。

 

中には、専門家に依頼をして督促が止まった段階ですっきりされる方もいますが、その時点では、まだ何も解決していない、それどころかスタート地点にすら立っていないのだということを、重々認識してもらう必要があります。そして、極力早くに申し立てができるように、依頼者の方にも頑張っていただく必要があります。それは、こちらにも、依頼者の方には、少しでも早く、本当の気味で安心してもらいたいという気持ちがあるからです。もちろん、申立までに時間がかかっているうちに、生活の状況が変わってしまったり、想定外の出来事などで、申立てが困難になってしまったりという危険性もあります。

 

そのため、当事務所では、特別な事情がない限りは、極力速やかに申立を行うことを心がけています。事務所の報酬については、無理のない範囲でご案内しています。少なくとも、報酬全額を払い終わるまで申立をしない、などということはありませんので、ご安心ください。

 

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