さて、前回に引き続きふるさと納税のお話です。
ふるさと納税には所得税と住民税の2つの税金面でのメリットがあります。
この2つのメリットを理解するために、まずは所得税と住民税が、そもそもどのような計算に基づいて課せられているのかを、簡単に説明します。
<所得税と住民税の計算方法>
所得税・住民税の計算方法は、実はある程度似通っています。
(サラリーマンの場合)
① 年間収入(いわゆる額面金額)-経費(※)=所得
※サラリ-マンの場合、経費の部分は「給与所得控除」と呼ばれ、年間収入に応じて定額で決まっています。
② ①で求めた所得-各種控除(※)=課税所得
※基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険控除、住宅ローン控除、寄付金控除など。
(自営業者の場合)
① 年間売上-自営業で実際にかかった経費=所得
② ①で求めた所得-各種控除=課税所得
まずは、上記の計算で「課税所得」と呼ばれる金額を算出します。
こうしてみると、サラリーマンも自営業者も、計算方法はほとんど変わりません。違うのは、①で差し引くことのできる「経費」の部分だけです。
要は、サラリーマンの場合、経費にできる額は、収入に応じて初めから決められているのに対し、自営業の場合は、実際に自営業でかかった分を経費にしますよ、ということです。そのために、自営業の場合は、何にいくら使ったのかがわかる「領収書」がとても大事になります。領収書がなければ、本当に支払ったお金かどうかがわかりませんからね。
そして、上記の計算で求めた課税所得に対して、一定の税率をかけたものが、所得税、住民税として、翌年の課税されることになります。
※厳密にいうと、所得税の計算のための課税所得算出の際の基礎控除の額(38万円)と、住民税の計算のための課税所得算出の際の基礎控除の額(33万円)が多少違ったり、という細かい差はありますが、ここでは省略します。
簡単に言うと、
課税所得×税率(5%~45%)-控除額(金額に応じて定額)=所得税
課税所得×約10%=住民税
となります。
所得税を算出するための、最後の税率(5%~45%)は、課税所得の額によって異なります。課税所得が大きい(≒たくさん稼いでいる)人ほど、税率も高くなります。これがいわゆる超過累進課税と呼ばれるものです。
さて、所得税と住民税の具体的な計算方法がわかったところで、実際にふるさと納税が、どこでどのように影響してくるのかを説明します。
思っていたより長くなってしまったので、続きは次回に。