小規模個人再生の廃止と給与所得者再生

先日申立をした個人再生手続ですが、残念ながら債権者の債権額の過半数の不同意により、手続廃止となってしまいました。

 
個人再生手続きの場合、①小規模個人再生と②給与所得者再生の2種類があります。

 

このうち①の小規模個人再生(ほとんどの場合、こちらを選択すると思います)においては、債権額の過半数が再生計画に同意しない場合、手続きが廃止となってしまいます。

 

今回のケースでは、銀行系の保証会社になっていた債権者の債権額が多く、ここ1社だけで総債権額の過半数となっており、この会社が反対したがために、手続きが廃止されてしまいました・・・

 

 

では、廃止となった場合はどうなるのでしょう??
おそらくは、①給与所得者再生に切り替えて再度申立て②自己破産のいずれかになると思います。

 

今回は、①給与所得者再生に変更して、再度申立てを行いました。

 

給与所得者再生の場合は、債権者の反対によって手続きが廃止になることはありません。

 

では、最初からこちらを選択すれば良いのですが、給与所得者再生の場合、可処分所得額を計算し、これの2年分を最低弁済額としなければならないという制約があります。

 

そのため、ある程度の給与をもらわれている方の場合、給与所得者再生を選択すると、3年間で弁済しなければならない金額が増えてしまう可能性があります。

 

そのため、まずは少しでも今後の負担が軽くなる小規模個人再生を選択するケースがほとんどだと思います。

 

ただし、今回のように、小規模個人再生の選択肢が閉ざされてしまい、さらに自己破産もできないというケースであれば、多少負担が大きくなったとしても、給与所得者再生を選択せざるを得ません。
幸い、ご本人様には事前にこういった可能性についても説明しており、給与所得者再生を選択した場合でも、支払い不可能なほどまでは今後の負担が大きくならなかったため、改めて申立てを行い、近日中に裁判所の認可が出る予定です。
給与所得者再生については、制度としては知っていても、実際には申立てを行ったことがないという専門家の先生も多いのではないかと思います。詳細についての説明をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
※なお、給与所得者再生は、その名の通り、「給与」(及びこれに準じる安定収入)がある方が利用可能ですので、残念ながら自営業者の方などはご利用できません。他方、年金は継続した安定収入とみなされますので、給与所得者再生の利用が可能です。

 

 

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