被告代理人として出廷

先日、数年間の延滞の末、債権者から支払督促を申し立てられた事件の代理人として出廷してきました。

 

原告側は社内担当者の方が出廷してきていましたので、別室で司法委員を交えての話し合いとなりました。こちらとしては、請求自体には争う余地がないため、あとは被告の現状を説明した腕、なんとか分割払いに応じてもらうしかありません。

 

当初は、延滞が長期に及んでいること、その間債権者からの連絡にも一切応じず、借り手としての誠意が感じられなかったことなどを理由に、なかなかこちらの希望する案に応じてもらえませんでした。今回は本人の勤務先も知られているため、いざとなれば給与差押えが可能という点においても、こちらには不利な状況でした。
月々の返済額を上げることや、初回に頭金としてある程度まとまった金額を支払うことなどを主張されましたが、被告の現状を考えるといずれも現実的ではありません。こちらとしても、どう頑張っても無理な内容で和解するわけにもいきません。

 

本人の生活状況や家計の状況、勤務先での立場なども説明し(もちろん、本人からは、あらかじめ債権者に伝えても構わないという了承を得ています)、最終的にはこちらの希望通りに近い内容で合意してもらいました。さすがに遅延損害金まで全額カットというわけにはいきませんでしたが、この部分についても温情は見せてもらうことができました。
今回合意した内容は、裁判所での和解になりますので、今後万が一延滞等があれば、即差押えをされる可能性があります。そのあたりのことをご本人様には重々説明し、納得して頂きました。あとは、ご本人様が今度こそ遅れることなく支払っていってくれることを祈るのみです。
貸金業者も、本人が憎くて裁判をやっているわけではなく、こちらがある程度誠意を見せれば応じてくれる可能性はあると思います。ただ、その際にも、過去の事情次第(返済できないからと、一切の連絡を無視して放置するなど)では、交渉が難航するケースも少なくありません。

 

返済が苦しいと感じ始めたら、現実から目を背けるのではなく、早めに専門家にご相談されることをお勧めします。

 

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