死後事務委任契約のために公証役場へ

先日、死後事務委任契約書を公正証書で作成するための打ち合わせで、神戸公証センターに行ってきました。

 

死後事務委任契約とは、主にお1人暮らしの高齢者などが、元気なうちに、ご自身が亡くなられた後の身の回りの事務処理を依頼しておく契約です。

 

遺言と似ていますが、遺言は単独行為(遺言を残す人が1人でできる行為)であるのに対し、死後事務委任契約はその名の通り「契約」ですので、相手方が合意していることが必要です。その分、相手方には契約を履行する義務が生じます。

 

例えば、遺言で「私の葬儀はこのようにしてほしい」と記載しても、これはあくまで希望・お願いのレベルであって、法的な拘束力はありません。これに対し、死後事務委任契約で契約した内容については、契約の相手方はそれを履行する義務を負うことになります。

 

また、遺言が主に遺産の分配方法などについて用いられるのに対し、死後事務委任契約は、その名の通り事務処理についての契約であることがほとんどです。例えば、現在の借家の解約手続き家財道具の処分病院代の支払い葬儀、納骨等の手配役所への届け出などがこれに当たります。その他、飼っているペットをこうしてほしい、これこれの友人たちには自分が亡くなったことを知らせてほしい、など、契約ですのでその内容は自由に決めることができます。

 

もちろん、身近な親族の方や、ご同居されている方がいて、わざわざ契約などという堅苦しいことをしなくても、ある程度自分の望み通りにしてくれる、という場合はあまり必要ではありません。それに対し、完全なお1人暮らしで、親族も、疎遠であったり遠方に住んでいたりして、あまり煩わしいことを頼めない、という場合は、信頼できる方とこういった契約を結んでおくと安心です。

 

今回お手伝いさせていただく方も、お歳は80代ですがまだまだお元気、毎日のように外出もされている方ですので、この契約が発効するのは当分先のことになると思います。ただ、ご家族に先立たれているために、万が一の際にあれこれとお願いできる人が身近にいません。周りのご友人たちも高齢ですので、自分に何かあった際に迷惑をかけるようなことにはしたくないとのことで、今回の契約をご希望されました。

 

ご自身の葬儀についても、ある程度こうしたいというイメージをお持ちであったため、あらかじめ近くの葬儀社と打ち合わせた上でプランを作成し、それに足りるだけの費用をあらかじめ預託しておくということになりました(ご本人曰く、自分が持ってたら全部使ってしまうので、とのこと)。

 

公証人の先生には、あらかじめ作成しておいた契約書案を確認していただき、問題ないとのことでしたので、早ければ来週にでも、ご本人様と一緒に公証役場に出向き、正式な公正証書にすることができそうです。ひとまずご本人様はこれで一安心されると思うので、余計な心配事はなくして、これからまだまだお元気で長生きしていただきたいと思います。

 

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