相続と不動産②相続対象不動産の評価について

ホームページの記事でも紹介したように、不動産にはいくつもの「価格」があると言われます。

このうち、不動産(土地)に関する相続税を算出する際に用いられるのは原則として路線価です。

 

※路線価とは・・・基本的に、自分の不動産(土地)の目の前の道路には値段がつけられており(1㎡あたり○万円、といった感じ)、この価格は国税庁の路線価図で確認できます。この単価×土地の広さが、土地の相続税算出の際の評価額となります。

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(例)路線価=1㎡10万円、土地の広さ=200㎡

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→ 10万円×200=2000万円

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ただし、地方によっては、路線価が設定されていない地域もあります。

路線価が設定されていない地域においては、固定資産評価額に、各市区町村が定める評価倍率(宅地の場合、おおむね1.1倍とする地域が多いようです。)をかけたものを評価額とします。

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なお、路線価はあくまで土地を評価する際の基準なので、建物については固定資産評価額がそのまま評価額となります。建物については、消耗資産であるため、経年劣化とともに評価額は下がっていくことがほとんどですが、土地については、建物のように劣化するものではないため、必ずしも評価額は下がっていくとは限りません。むしろ、地価の上昇等により、評価額が上昇することもあり得ます。そのため、ある程度の広さの土地を所有している場合は、資産評価として決して無視できないような価格であることも多々あります。

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固定資産税は、評価額の1.4%を1年間4期分納が原則ですが、小規模住宅用地(200㎡までの住宅底地)については、6分の1とする軽減措置があるため、毎年の固定資産税はそこまで高額でなくても、評価額自体は思いのほか高い、という可能性もあります。

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なお、路線価にしろ固定資産評価額にしろ、実税価格よりも低い額となることがほとんどなので、一般的には、現金よりも不動産の方が相続税対策になる、と言われているのはこのためです。

 

※現金(預貯金)で2000万円所持したまま亡くなると、相続財産としての評価は丸々2000万円ですが、2000万円で不動産を購入していれば、その不動産の相続財産としての評価はそれよりも低い(例:1400万円)ことがほとんどなので、トータルとしての相続財産評価額を低く抑えることができます。

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路線価と固定資産評価額は、比較的簡単に調べることが可能です。

ご自身やご家族の相続に際して、相続税の対象となりそうなのか否かの目安にもなりますので、1度調べてみてはいかがでしょうか?

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※路線価と固定資産評価額を基準とするのは、あくまで相続税算出の際であって、遺産分割に際しての評価額は時価を基準とすることが多いので注意してください。

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