「利息の見直し」「過払い金」という言葉が広く知られるようになってはや数年。一時期ほどの過払いバブルの状態は影をひそめるようになってきました。
というのも、貸金業法の改正に伴って、多くの貸金業者は、平成20年前後に金利を引き下げしたため、それ以降に借り入れをした方については、最初から利息制限法の制限利率以下での借り入れとなるため、そもそも過払い金が発生しなくなったからです。
過払い金が発生する仕組みは、利息制限法の上限利率を超える金利を設定していた業者について、利息制限法の制限利率で引き直し計算をすることで、払い過ぎた利息が生じることにあります。そのため、最初から利息制限法の制限利率より低い金利で借り入れている場合は、引き直し計算自体をする余地がありません。
言ってしまえば、ここ5年以内での借り入れの方については、過払い金はまず発生しないと思ったほうが良いでしょう。
しかし、他方で過払い金という言葉が世間に浸透しすぎてしまったために、ここ数年の取引であっても、「過払いになっていますか?」「借金は減りますか?」というお問い合わせはたくさんいただきます。その場合には、残念ながら過払いはありませんという返答をせざるを得ないのですが、借金を減らすということについては、個人再生という方法が非常に有効です。
個人再生についての詳細はホームページをご覧いただきたいのですが、簡単に言うと、裁判所の許可を得て、借金を最大で80%カットするという、非常に強力な手続きです。さらに残った20%については、利息をカットして3年間で分割返済すれば良いため、金銭的な負担ははるかに軽くなります。
裁判所の許可が必要という点では、自己破産と同様なのですが、個人再生という手続きは、自己破産ほど一般的に認知されていません。しかし、状況次第ではこれほど有効な手続きは他にありません。
【個人再生のメリット】
①住宅ローンがある方でも利用可能
現在住宅ローンを抱えている方で、住宅ローン以外にも借金がある場合、個人再生を利用することで、住宅ローン以外の借金を最大80%減額可能です。住宅ローンについてはそのまま支払いを続けていくため、住宅を手放す必要がありません。
もちろん住宅ローンがない方でも利用可能です。
②借り入れ原因についての審査がない
自己破産の場合、借り入れ原因について裁判所で審査があるため、浪費やギャンブルといった原因でできた借金については、認められない可能性があります。しかし、個人再生の場合、借り入れ原因を問わず利用することが可能です。
これらは非常に重要なポイントで、借金は払えない、かといって様々な事情(自宅を手放したくない、ギャンブルでできた借金である、自己破産すると仕事上の資格に影響してしまうなど)で自己破産はできない、という方にはもってこいの手続きといえます。
しかしながら、個人再生については、取り扱い実績の少なさなどの理由から、敬遠しがちな事務所も多いと聞きます。先日のご相談の方も、別の事務所で個人再生をお願いできないかと聞いたところ、「手続きが非常に煩雑で費用も高いからやめておいた方が良い」と、暗に断られたとのことでした(実際には、個人再生が最も適している状況でした)。
幸いなことに、個人的には、前事務所時代に数多くの個人再生事件を取り扱うことができましたし、中には相当複雑なものもありましたが、裁判所の許可が取れなかった案件は1件もありません。また、いずれの方も、個人再生を利用することで見事に生活を再建することができています。
これからは、いわゆる過払いや、任意整理での借金の減額はほとんど見込めなくなってきます。
その中で、個人再生という手続きは、今後より広く認知され、利用されていくことは間違いないと思います。
・(住宅ローン以外の)借金が200万円を超えており、返済が苦しい。
・借金はあるが、住宅は手放したくない。
・借金の原因がギャンブル、浪費である。
・自己破産だけは絶対にしたくない(できない)。
・月3~4万円程度であれば何とか返済可能できる。
上記に当てはまる方は、個人再生で生活を劇的に改善できる可能性がありますので、ぜひ1度ご連絡ください。